パソコンの周辺機器と名称

パソコンの周辺機器

このページではパソコンにどういう周辺機器があるのか、代表的な装置の名称・役割を分類ごとに紹介します。

パソコンに接続されている周辺機器のことを内蔵・外付け問わず「デバイス」と呼ぶ風習があります。つまりマウスやキーボードもデバイスです。
「ハードウェア」という単語でも差し支えありませんが、パソコン本体も含まれる物理的な装置を指すため、こちらはより広義な意味合いとなります。

入出力装置

パソコンでは無意識のうちに入出力という動作が頻繁に行われています。
コンピュータに対して何か信号を送るための装置を入力装置といい、逆にコンピュータが人間に識別できるようにするための装置を出力装置といいます。

たとえば画面上のマウスポインタ(カーソル)を動かしたければマウスを動かしてセンサーを読み取らせますよね。この行為こそが「入力」であり、マウスが入力装置に相当します。
その結果、センサーの検知に基づいてマウスポインタの移動結果をモニタに表示することこそが「出力」であり、モニタが出力装置に相当します。

I/O(Input / Output)という単語を見かけた場合、これは入出力をするための装置であることを示します。


モニタ(ディスプレイ)

分類 : 出力装置

PC画面を出力するための周辺機器で、正しくはモニタと呼びます。なおディスプレイでも意味は通ります。
画面の大きさは「〇〇型」とか「〇〇インチ」等と表記されます。
PCへの接続さえできればモニタは別売りのものに変更することも可能です。
また、モニタを2つ並べてデュアルモニタとして連結使用することも可能です。

画面が大きければその分見やすく、アプリケーションによっては画面が小さいと操作面で不便なことがあります。
特に映像系や音楽系のアプリケーションでは画面を大きく使いたいことが多いので、利用用途に合わせたモニタ選びをすると良いでしょう。

当然ですが「ノートパソコン」や「パソコン・モニタ一体型」のパソコンは構造上別サイズのモニタに交換することはできません。
この場合潔くあきらめるか、上記のように接続さえできればセカンドモニタとして使用することが可能です。

モニタを2つ使用したデュアルモニタの例

キーボード

分類 : 入力装置

説明不要だと思いますが、文字を入力するための周辺機器です。
ちなみにキーボードが予めパソコンに接続されていないと、パソコンは起動することができません。
接続せずに起動すると、英語で「キーボードを接続してね」的なメッセージが表示されます。

キーボードも別売りのものがたくさんあるので、壊れてしまったり既存のキーボードが気に入らなければ交換することができます。
ちょっと変わった形のキーボードや、光るキーボード、ゲームに特化したキーボードなども存在します。
自分で実際にキーボードを触ってみて、自分の手にあったキーの打ちやすいものを選びましょう。

USB接続している有線のキーボード

マウス

分類 : 入力装置

画面上のマウスポインタ(カーソル)を操作するための周辺機器で、ポインティングデバイスとも呼ばれます。
上級者であればマウスなしでも一応パソコンは操作可能ですが、もはや必須といえます。
ノートパソコンの場合はマウスの代わりにタッチパッド等が用意されていますが、外付けのマウスを用意するケースも多いです。

こちらも壊れてしまったり既存のマウスが気に入らなければ交換することができます。
ボタンがたくさんついているマウスや、ゲームに特化したマウスや、トラックボールという変わったマウス等も存在します。
操作性が大幅に向上するので機能面も大事ではありますが、第一に自分の手にフィットするものを選ぶと良いでしょう。

ワイヤレス型のマウス

スピーカー

分類 : 出力装置

パソコンに必須ではありませんが、音を出すためのサウンドデバイスです。これがないとマザーボードからのビープ音を除き、音を出すことができません。
パソコンを買うとついてくるスピーカーは性能がいまいちだったりすることがありますが、そんなときは高性能のスピーカーを接続すると耳を疑うほど良い音になることがあります。

PC本体のオーディオジャックやUSB接続できるタイプのスピーカーだと楽ですが、本格的なスピーカーになってくるとそのままでは端子が合わずPC本体に接続できないケースがあります。
この場合、オーディオインターフェースと呼ばれる周辺機器を介して接続する形となります。

今はなきEDIROLのスピーカー(現役)

マイク

分類 : 入力装置

Web会議などでボイスチャットを利用したい場合は必須となるサウンドデバイスです。
ノートパソコンには標準搭載されているケースが多く、この場合マイクを接続する必要はありません。
一般的には下図のようにPC本体のマイクの絵が書かれた入力端子に接続することで使うことができます。

PC本体のオーディオジャックやUSB接続できるタイプのマイクだと楽ですが、コンデンサマイク等の本格的なマイクになってくるとそのままでは端子が合わずPC本体に接続できないケースがあります。
この場合、オーディオインターフェースと呼ばれる周辺機器を介して接続する形となります。

アームで固定されたコンデンサマイク(なんかかっこいい)

Webカメラ

分類 : 入力装置

TeamsやZoomといった今流行りのビデオチャットで相手にこちらの映像を見せたい場合、Webカメラは必須となります。大抵はUSB接続です。
解像度やフレームレート等によって画質性能が大きく左右され、特に画角(どれぐらいの範囲を映すことができるか)が気にしたいポイントです。
ノートパソコンには標準搭載されているケースが多く、この場合別売りのWebカメラを接続する必要はありません。
市販されているWebカメラはモニタにひっかけられるようになっている形状のものが多いので、自分自身を映す場合は下図のようにすることが多いです。

Webカメラは簡易的なカメラであるものが多いので、スマホの動画のようなハイクオリティなものを期待しないほうが良いでしょう。
本格的な画質を求める場合、高性能なデジタル一眼カメラなどをPCに接続することで実現することができます。もちろんこの場合照明といった光源なども気にする必要があるので…お金かかりそうですね。
ちなみにiPhoneなどのスマホカメラもかなりのハイクオリティで、環境を整えればPCで使うことも一応可能です。
画角については自分一人だけ映れば良いなら広角である必要はありません。

安価でもそこそこの画質でビデオチャットができる(↑は3500円程度)

プリンター

分類 : 出力装置

画面上のテキストデータや画像データを紙に印刷して出力することができるデバイスです。
写真なんかも印刷することができますが、その場合は専用のインクジェット紙を使わないと色が滲んでしまいます。

プリンタにはインクジェットとトナーの2種類がありますが、家庭用プリンタは大抵インクジェットになります。


スキャナー

分類 : 入力装置

紙を読み取って、画像データとしてパソコンに取り込むことができるデバイスです。
OCRといって読み取った画像データに書いてある文字を自動認識し、文書ファイルに変換してくれる機能を持つソフトウェアも存在します。

記憶装置

主にデータを保存するためのデバイスを紹介します。
記憶装置の筆頭としてあげられるメインメモリや、内蔵型のSSD・HDDについてはこちらのページでも紹介しています。


メモリ(RAM : Random Access Memory)

分類 : 主記憶装置、一次記憶装置

一般的にメモリと呼ばれており、メインメモリ、主記憶装置、一次記憶装置とも呼ばれることがあります。
○○GB(ギガバイト)などと表記され、数値が高いほど一度にたくさんの作業を行うことができます。

メモリはバックアップといったデータの保存を目的としたものではなく、CPUが演算を行うことができる空間を提供してくれます。
Excelを開きつつ動画を見つつゲームをしつつインターネットで大量のタブを開きつつ画像編集ソフトも起動したい…といった感じで、同時にたくさんの作業を行うことができるのはメモリが作業空間を提供してくれているおかげです。

画像編集ソフトや現実と見分けがつかないぐらい綺麗な3Dグラフィックを使用したゲームのようなソフトウェアはメモリ領域をたくさん用意してあげる必要があります。
Microsoft Officeなどの比較的PCに対して大きな負担にならないようなソフトウェアはメモリ領域をそんなに使用することはありません。(例外を除く)

このため、自分がやりたい事に合ったメモリがパソコンに搭載されている必要があります。
また、メモリはデスクトップPCや一部のノートPCは増設することも可能です。

緑色の2枚の基盤がメモリ

SSD(Solid State Drive)

分類 : 補助記憶装置、二次記憶装置

エスエスディーと呼ばれ、半導体メモリをディスクドライブとして利用可能にした記憶装置で、昨今ではメインストレージの主流となっています。
HDDと比べて圧倒的にデータの読み書きが高速であるため、メインストレージに採用することを強く推奨します。
SSDはデータの読み書きが非常に高速な記憶装置のため、PCの起動やプログラムの起動がとにかく速く、ストレスフリーにPCを使うことができます。

メインストレージに加え、セカンドストレージにもSSDを採用するのはもちろんOKです。
ただしHDDと比較すると高価になってしまうため、お財布と相談する必要があります。
また、SATAとPCIe(NVMe)の接続方式に選択肢がある場合、PCIeの方がより高速であると言えます。

M.2のSSD本体はメモリのようにコンパクトな形状

HDD(Hard Disk Drive)

分類 : 補助記憶装置、二次記憶装置

HDDは一般的にハードディスクと呼ばれています。磁気ディスクの記憶装置で、一昔前はメインストレージの主流でした。持ってみると意外と重いです。
磁気ディスクをクルクル回転させて、磁気ヘッドという読み取り装置で保存されたデータを見ることができます。
クルクル回転させるスピードが早ければ早いほどデータの読み書きが高速化しますが、その分値段が高くなる上、回転音も大きくなります。
大容量でも比較的安価なので、現在はセカンドストレージとしてデータの保存用に採用されるケースが多いといえます。

なお、SSDと比べて圧倒的にデータの読み書きが遅いため、メインストレージへの採用は見送るべきです。
メインストレージに採用した場合、昔のパソコンのようにいちいちPCの動作が遅いので、ストレスを感じることは間違いないでしょう。

「PCが遅くて困っている」と相談を受けると、大抵メインストレージがHDDのPCであることが多いです。
故障率の観点からも、HDDをメインストレージにはしない方が良いと思います。

HDD本体(内蔵型)
持ち運び可能な外付けHDD(USB接続)

USBフラッシュメモリ

分類 : 補助記憶装置、二次記憶装置

SSDと同じく半導体メモリの記憶装置。よくUSBメモリと呼ばれています。正式名称は「USBフラッシュメモリ」です。
パソコン本体の「USB」と呼ばれる端子に接続することで使用することができる、簡易的なストレージです。
ポータブルハードディスクに比べてかなりサイズが小さく、持ち運びしやすい点から非常に便利で広く普及しています。

近年では機密情報を保存したUSBメモリの紛失による個人情報流出などが取り沙汰されることが多くなったため、データの取り扱いには注意が必要です。
USBメモリをPC接続時にパスワードを入力しないと開くことができないように、暗号化することができるUSBメモリも販売されています。

IT業界に身を置く人間でも「USBメモリ」とか「USB」等と略されて呼ばれることが非常に多く、特に後者が多いです。
しかし、あくまでも「USB」とはPCと周辺機器を接続するためのコネクタ【Universal Serial Bus】のことを指すので、違いを覚えておきましょう。
普段の会話などで「USB」と呼ぶ分には相手にも感覚で伝わるでしょうし問題ありませんが、メールなどの文章でのやりとりではきちんと「USBフラッシュメモリ」や「USBメモリ」と書くようにしましょう。

USBフラッシュメモリ