可愛いUSBメモリはNGの画像

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可愛いUSBメモリは買っちゃダメ?!推奨できない4つの落とし穴

学園長

学園長

パソコン初心者アカデミー管理人
パソコン歴20年を超える現役システムエンジニア。社内ネットワーク・サーバー構築・運用のほか、ユーザー周りのサポートをこなすパソコン系何でも屋さん。趣味は釣り。好物は唐揚げ。
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せっかくUSBフラッシュメモリ(USBメモリ)を買うなら見た目が可愛いやつや、他の人が使っていないような面白い形のユニークなUSBメモリが良いなと思っていませんか?

「何それ面白い!」と奇をてらい、周囲からウケを狙いたい気持ちはよくわかります。私もそんな時期がありました。特にパーティー等のプレゼント交換ではうってつけの品ですよね。
でもちょっと待ってください。実はこれらの可愛かったり面白い形をしていたりするUSBメモリには特徴として大きな落とし穴があるのです!

本記事ではかわいい・おもしろUSBメモリの何が良くて何がダメなのかを具体的に解説したうえで、失敗しないためのUSBメモリの選び方について解説します。もちろん、可愛いUSBメモリが絶対ダメというわけではないので安心してください。

普及しはじめた2000年頃からUSBメモリと長年付き合っている現役システムエンジニアの知見を基に紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

可愛いUSBメモリ(しろたん)
こんな感じのUSBメモリ

上図は可愛いUSBメモリのイメージ画像です。実際は普通のUSBメモリの上にしろたんの模型をのっけただけなので、このUSBメモリは実在しません。

可愛い・おもしろUSBメモリが人気の理由

人気の理由ですが、これはもはや説明不要です。
第一に見た目が良いからですね。イメージとしては下図のような感じでしょう。(Amazonより抜粋)

可愛いUSBメモリのイメージ
左のやつは某ネズミにそっくりだが大丈夫なんか…?

キャラクター、動物、乗り物をイメージしたものなどと挙げればきりがありませんが、シンプルなデザインばかり目立つUSBメモリのイメージを払拭し、斬新に感じて購入される方が多くいらっしゃいます。

そして意外にもインテリアグッズとしても優秀なことが人気の秘訣です。
小さいマスコットキャラ人形のように卓上に置いておくことで、殺風景なデスクを彩れるのは魅力といえます。

また、奇抜なデザインのUSBメモリも多いことから、ウケ狙いでの誕プレやパーティーでのプレゼント交換用として贈られることも多いですね。もちろん単純に可愛いから自分用として購入される方も多いですよ。

奇抜なデザインのUSBメモリはどこで売っているの?

ヨドバシカメラやビックカメラといった大手家電量販店でもチラホラ見受けられますが、ロフト東急ハンズといった雑貨店の文具売り場コーナーでもよく見かける定番の商品と化しています。

しかし、ディズニーをはじめとしたブランド等の版権モノは、直営店や公式オンラインショッピングサイトといった正規の店舗じゃなければ買えないケースも多いので、お目当てのものが先述のお店等で必ず見つかるというわけではありません。

また、当然ながらAmazonでも探せばたくさん出てきますよ。

Amazon かわいいUSBメモリ

かわいい・おもしろ系USBメモリがダメな4つの特徴

さて、ここからが本題です。なぜかわいい・面白系USBメモリがダメなのかについて解説していきます。

デザインの良し悪しを抜きにしてUSBメモリを選ぶ基準としたら、真っ先に思い浮かぶのはきっと容量(いわゆるGBとかギガ数)ですよね。
その点、かわいい・おもしろ系USBメモリのラインナップを見てみると、実に4GB~32GBと多様であり、一見して問題ないように見えます。

…が、これはカモフラージュに過ぎません!!

パソコンに詳しくないPC初心者の方などは、ここで何もわからずに購入してしまうことでしょう。
ダメな特徴として以下の4つの点が挙げられるのでよく観察してみましょう。

【その1】保存に時間かかりすぎ!転送速度が遅いUSB2.0の罠

かわいい・おもしろ系USBメモリの特徴として、下図のようにUSB規格がほぼほぼUSB 2.0であることです。

USB2.0表記の画像
つっこみどころ満載のUSBメモリ

現行の規格ではUSB 3.0以上が当たり前で、USB 2.0とUSB 3.0では読み込みや書き込みの転送速度に10倍近い差があります。

これの何が問題なのかというと、重たいデータを保存しようとした際にやたらと時間がかかってしまう可能性があるということです。
例えばスマホで撮影した動画や写真(画像)は高画質で設定されていることが多く、その分ファイルサイズも大きいため、それらの大量のデータをUSB2.0で保存しようとすると時間がとてもかかってしまいます。
以下の表は転送速度についてまとめた表ですので、参考程度にご覧ください。

USB規格の最大転送速度の理論値
各USB規格の転送速度

更に酷いものだとUSB2.0より約50倍近く転送速度が遅いUSB 1.1という古い規格がこの時代でも出回っているので本当に注意が必要です。
表には載せていませんが、USB1.1とUSB 3.0を比較するとスーパーファミコンとプレステ5徒歩と戦闘機マッチと火炎放射器ぐらい性能に差があるといえば理解してもらえるでしょうか。

USB1.1表記のUSBメモリ画像
USB1.1…貴様まだ生きていたのかッッ!!

【その2】隣のUSB挿入口をふさぎかねない

奇抜なデザインを売りにしているため、サイズを度外視した作りの物がチラホラ見受けられます。このため隣のUSB端子をふさいでしまうことが多々あり、他のUSB機器を接続できなくなるという残念なことになりがちです。

また、大きさによっては単純にPC周りがゴテゴテするので邪魔となることもありますし、変な造形だと場合によってはノートPC本体が浮いて斜めになってしまうこともありえます。

隣のUSB端子に挿せなくなる画像
隣のUSB端子に干渉してしまう

【その3】中身の作りが粗悪で壊れやすい

品質検査の過程で弾かれた粗悪なチップを使用されているノーブランド品である可能性が高いため、壊れやすく寿命が短いのも特徴です。

更にいうと故障時における交換対応や保証がなかったり保証期間が短かったりするものも多いですね。

【その4】性能の割には価格が高い

性能がガッカリの割に、2000円~5000円というUSBメモリにしては高いお値段の製品を多く見かけます。

容量や機能にもよるので一概には言えませんが、USB 3.0でもコスパの良い安いもので大体800円~1500円程度、高性能なもので3000円~5000円程度です。

微妙な性能のUSBメモリに高いお金を払うなら、もっと高性能なUSBメモリを一本買った方がお得と言えます。


4つの理由を簡単に説明しましたが、可愛い・オモシロ系USBメモリでこれらをクリアしている製品は何故かなかなかお目にかかれません。
USBメモリの大手メーカーはこの市場にアプローチしてもいいんじゃないかなとも思ってしまいますが、きっと何か理由がおありなんでしょうね。
キャラクター物だと版権料がかかっていて価格設定が高くなるのでしょうかねぇ?

ビジネスシーンではNG?!使いどころを考えよう

個人で使う分には構わないと思いますが、ビジネスシーンでこの手のUSBメモリを使用するのは避けた方が賢明でしょう。

「え?この会社って個人所有のUSBメモリ使って仕事してんの?ヤバ!」といった感じでお客さんからあなたのことはもちろん、会社の品位を疑われかねません。

職場によっては面白がって受け入れてくれることもありますが、そもそも個人のUSBメモリを会社で使うことはコンプライアンス的にありえません。許可している会社はセキュリティ意識が低すぎます。

以上を踏まえ、会社で使う(会社で買ってもらえる)ならシンプルなデザインのものを選びましょう。その方が遙かに高性能なUSBメモリが選びたい放題ですよ。

かわいいUSBメモリを紹介しているサイトは基本的にNG

本記事を執筆するにあたってかわいい・おもしろUSBメモリを紹介しているWebサイトを見て回りましたが、怒りがこみ上げるほど本当に低品質な情報サイトだらけでした。控えめに言ってク○です。
ただただ紹介料をもらうことしか考えておらず、更にリンク切れを起こしているサイトも多く、とにかくユーザーにとって不利益な製品情報が多すぎという感想です。

もちろんすべてのサイトが当てはまるというわけではありませんが、オススメできるようなサイトはありませんでした。ダメなUSBメモリを見抜けるようになりましょうね。

ちなみに当サイトでもコチラのページでパソコン初心者向けにオススメのUSBメモリを紹介しています。現役SEのメンツにかけて本当にユーザーが買ってよかったと思う製品しか紹介していませんので、どうぞご安心ください。

それでも欲しい!どうしても買いたい場合に意識する点

基本的に上述の通りですが、これらを納得したうえでなら買うのもアリともいえます。

どうしてもこのデザインのUSBメモリが欲しい!というのであれば、妥協点を以下にまとめたので参考にしてみてくださいね。

転送速度について

上記ではUSB 2.0とUSB 3.0では転送速度に10倍の差があると言いましたが、ミクロで見れば極端に遅くて使えないというわけではありません。

何故かというと、WordやExcelといった細々とした小さいファイルサイズのデータ保存がメインならUSB 2.0でも十分問題ないからです。

しかし、ひとつ当たりのデータサイズが数十~数百MBを超えてくると、USB 3.0以上の方が絶対にストレスフリーになります。
とは言ってもUSB2.0でも転送時間に時間がかかるだけの話なので待てば保存自体は完了しますから、待てる人はUSB2.0でも全然OKです。ただ、せっかちな人はUSB 3.0の方が良いでしょう。

物理的な大きさ

隣のUSBメモリを塞いでしまっても問題ない、USB挿入口に十分なスペースがあるから構わないというならば懸案事項から除外されます。
ただし、プレゼント用となるとなかなか判断が難しいところになってきます。

すぐ壊れても良い覚悟があるか

粗悪なチップが使われている可能性が高いので故障確率も高いといえます。
保証がないケースもあるのでそれを受け入れたうえでの選択なら構いません。買うのであれば使い捨て感覚でいた方が良いと思います。

おしゃれなのに高性能なUSBメモリはたくさんある

単純に武骨なデザインやずんぐりむっくりなデザインのUSBメモリが嫌だという話であれば、シンプルながらも洗練されたデザインであり、壊れにくいものセキュリティ性能に長けたもの転送速度に優れたものといったUSBメモリはたくさんあります。

当サイトでは、筆者がAmazonや秋葉原の店頭を調査して厳選したオススメのUSBメモリをまとめているのでコチラもぜひ参考にしてみてくださいね。もちろんデザイン性を重視したオススメUSBメモリについても取り上げていますよ。

初心者でもわかる!USBメモリの選び方とオススメモデル【2022年最新版】

まとめ(筆者からの一言)

私が初めて使用したUSBメモリは16MBだか32MB程度で5000円ぐらいしましたので本当に良い時代になったものです。今やその1000倍の容量なのに1000円ぐらいで買えちゃいますからね…

私もこれまでに数多のUSBメモリを手に取りましたが、可愛いデザインやオシャレなデザインのUSBメモリはいかんせん性能が低い製品が多いので採用を見送ってきました。しかも値段も高いので、だったらその分で高性能なUSBメモリ買うよね…という発想に至ってしまいます。

どのジャンルの商品もそうですが、見た目や宣伝文句に気を取られて大事な中身がおろそかにならないようお買い物には気を付けましょう。

もし本記事で取り上げたような可愛いUSBメモリをプレゼントとして贈る場合、使い物にならないと判断されて引き出しの中に入れっぱなしにされて使ってもらえないとめちゃくちゃ悲しいので、解説した注意事項をよく考えてから購入に踏み切ってくださいね。

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